ZMT-S29 ザンネック(ZMT-S29 Zanneck)は「機動戦士Vガンダム 」および、それをはじめとするガンダムシリーズに登場するモビルスーツ。
機体解説[]
一撃離脱戦法を得意とする機体であり、本体から切り離し遠隔操作も可能であるフットベースという円盤状の移動補助機を使い、高速移動を可能とする。このフットベースは別名、ザンネックベースと呼ばれることもある。
感知能力を上げるサイコミュを搭載しているようである。パイロットであるファラ・グリフォンは鈴の形をしたサイコミュ補助具を装着し、機体には外界にサイコウェーブを放出する機能が存在する。鈴は代々ギロチンを司る家系であるところのグリフォン家のトレードマークである。これは職にギロチンを用いていたファラにとっても精神的な象徴であると思われ、その暗示は能力を引き出すのに効果的なのかもしれない。
これはザンネックの機体に装備されたセンサーが捉えられる範囲外の情報を得るために開発された兵器である。通常のセンサーを補助するサイコミュセンサーとしての役割を担っている。ニュータイプの発する特殊な脳波であるサイコウェーブを利用し、機体内外の装置で制御し、サイコウェーブを増幅させ外界に発信する。そこで捉えられた情報を機体に反映させる機能である。例えるなら、イルカの様にサイコウェーブをパルス音状のものに変換し発して物体に反射した音からその物体の特徴を探る能力に似ている。
その時に使われる鈴の形をしたサイコミュ補助具がたまたま放ってしまった音がサイコミュセンサーを通じて何らかの形で発信され、特定の敵パイロット達(ニュータイプ能力がある者達)が聞こえるはずの無い鈴の音を聞いてしまうなどの現象が起こった。よって、ウッソ・エヴィンなどのニュータイプを相手とした場合、ザンネックでの狙撃は鈴の音や発せられるサイコウェーブの影響で殺意や意思を感知され狙撃は難しくなっていた。
しかし、ザンネックのサイコミュ系センサーは強化人間となったパイロット能力とサイコミュ系センサーの相乗効果も加わり、敵に捕捉される前に敵機の存在を捕捉し撃墜する超長距離攻撃を可能にした優れた兵器である。
アニメでは、シールドを展開していないのにビームを弾いているシーンがある。視覚的にはIフィールドに似ているが、詳細不明。
書籍『ニュータイプ100%コレクション Vガンダム vol.2』において掲載されているラフ画集においては、ザンネックの案のひとつとなった「ザンコック」(残酷)という機体が描かれている。
漫画版では大量のMSの首を切断し、ビーム鎌のような武器に団子状に串刺ししていた。
武装[]
ザンネック・キャノン[]
強力なビーム砲であり、成層圏から地表を狙い撃てるほどの桁外れの威力を誇る。機体背面に一対の三日月の様な加速器を備え、ビームを発射する際、ミノフスキー粒子をこの装置で圧縮・縮退・加速させることにより、強力な破壊力を発生させる。更に、ビームを直線的に発射するだけでなく、リング状のビームを撃ち出すなど、変則的な攻撃も可能だった。また、加速器の稼動時には粒子が円を描くように放出され、光の輪(三日月状から円状へ)が出来る。
劇中での活躍[]
第40話「超高空攻撃の下」で初登場。高空からザンネック・キャノンを用いた砲撃を行い、ラゲーン基地の居住区に大きな被害を与えた。更に、地上から上がってきたウッソ達リガ・ミリティアの戦力と交戦、トマーシュのガンブラスターを損傷させるなど、単独で複数のMSを相手にしながらも圧倒した。リーンホースJr.との戦闘ではジャバコと共に展開され、リガ・ミリティアのMSを撃破している。タシロ艦隊とリガ・ミリティアの艦隊戦においては、コクピットにキル・タンドンを同乗させて出撃する。この戦闘の際、ファラは敵の識別と射撃の指示を行い、キルがMS本体の操縦を行っていたが、ファラが途中でキルを射殺したため、最終的にファラが単独で操縦を行う事となった。ウッソのV2ガンダムを小破させ、多数のジャベリンを撃墜するが、大量のブーツを用いたウッソの戦術によって、本機は撃破された。