大河原邦男のメカニックデザイン「MSV-R」に登場する連邦軍の水中用MS。
概要[]
ジオン軍の水陸両用MSの出現は連邦軍の予想を超える出来事で、有効な対抗策を持たず海上艦隊に甚大な被害を被った連邦軍は、開発の進むRGM-79ジムの汎用性を活かし水中活動用のオプション装備の開発を決定し、複数のメーカーから提出された10数点の計画案の内、数点を試験的に採用し製造する事を決定した。0079年12月にロールアウトしたのが「RGM-79U」で、背面の大型水中用ランドセルと両足に装備する補助バラストタンクで構成され、同年12月末には正式採用され「RGM-79U ジム・スループ」の名称が与えられた。
機体解説[]
RGM-79Uジム・スループは「RMG-79ジム」に大型アクアパックと脚部に装着する補助バラストタンクで構成されており、アクアパックは水流ジェットエンジンとバラストタンクを内蔵し、中央上部に有線式センサーポッドと中央部両サイドに伸縮式の潜舵が配置されている。
また、「SPG-02 ソナーガン」を装備して水中の探索を行う。
水中潜航はバラストタンクに海水を注入して行うのだが、本機はバラストタンクを満水にしても僅かに浮力が残る為、推力と潜舵を使用して潜航する「ダイナミカルダイブ方式」を用いる強引な設計であった。一年戦争終結後は2機がメーカーに返却され、新型の水陸両用MSの開発のデータ収集の為に用いられた後に解体されている。他の機体については戦後、元の「RGM-79」に改修された。
補足[]
この機体は水陸両用MSとしては非常に中途半端な物であり、コロニー国家であるジオン公国軍が開発・使用したMSM-07等のMSに比べても、その性能の低さは明らかであった。単一機種を大量生産し、その改修機で全域をカバーするという方法論は非常に有効で、他の海上・海中戦力との連携しだいでは有効に戦闘を行えたと思われる。しかし、「RGM-79U ジム・スループ」と「RAG-79 アクア・ジム」の開発後にもかかわらす、連邦がジオン系水陸両用MSを接収し使用した事からも、その性能差は埋められなかったと考えるのが妥当である。